お盆の風景
8月13日ですね。
私の実家は三重県の漁師町。
お盆期間中は盆踊りを8月13日から15日までやってます。
いつもは3日ともにその盆踊りをぼんやりと観るのが夏の過ごし方でしたが、
今年はお盆休みをずらして取ったことから、13日、14日はお休みではありません。
15日からお休みを取って実家に帰省するつもりですが、大雨になりそうな感じですね。。
私は小さいころ、実家の町をすごく出たかったんです。
一次産業しかなくて、年寄りしかいない、若かった自分には、都会へのあこがれとかから、物足りなかったんでしょうね。
でもお盆だけは心がドキドキしてました。
盆踊りを観て、踊ったりするだけなんですけど、盆踊りの曲や歌声、提灯から漏れる緩めのライト、ゆったりと踊る人、それら全体をぼんやり眺めていることが好きでした。
盆踊りへの気持ちは今も変わっていません。
お盆に実家に帰って、盆踊りを観ないと年間の中締めにならない。
昔は物足りなかった故郷も、今はいつかは住みたいなと考えてしまいます。
歳を取るとそうなるのか、でも結局自分のルーツなんですかね。
私の子供たちは名古屋で生まれ、名古屋で育ってます。
そこが子供たちのルーツになるんでしょうね、きっと。
私の幼少期の話をすると、私の父親は自営業でいつも仕事ばかりしてました。今は仕事はそこそこで、パチンコの日々ですが・・。
父親に遊んでもらった記憶はそれほどありませんが、喫茶店にはよく連れて行ってもらいました。喫茶店で父親となにか会話するわけではなかったけど、ミックスジュースを飲むのが楽しみでしたね。
水産加工関係の仕事だったので生臭さが家の中全体にしてました。
学校から帰ってくると父親はいつも背中を向けて座って、魚をさばいてました。
捌く用の冷凍魚のトロ箱は、母が持つには相当重く、私がだいたい見かねて運んであげるという感じでした。
実は私は、こんな臭くて汚い仕事は絶対にしないと心の中に思ってました。
そんな気持ちを見透かされたのか父親から
「こんな臭い仕事はお前はせんでええ」といつも言われてました。
一方で魚の捌き方や干物の作り方、そして鰹節の作り方まで家業の仕事を一通り、見せられ頭に刷り込まれました。
父親に以前聞いたことがあります。
「なんで、臭い仕事はせんでええとか言いながら、仕事のことを教えるのか」と。
父親は「喰いっパグれないようにな。」と笑ってました。
そんな父親は市場が休みの時が休みで、お盆もお休みです。
小さいころ、盆踊りは父親の隣で観てました。
それがすごくドキドキするんです。
特に何か話すでもないんですが、盆踊りを全体ぼんやりと二人で眺める。それだけで十分な想い出です。
私も子供たちに何かしてあげないとと思うことがよくあります。想い出にどこかに連れて行かないといけないとか、休日にイベントがないといけないとか、逆にプレッシャーになってたりします。
でも子供だった自分は、父親といることが幸せでした。
もしかすると子どもたちも私といることが想い出になるのではないか・・、そう考えると肩に入っていた力が抜けて楽になります。
私にとってお盆は特別な想い出が詰まってます。
実家の両親には8月15日に帰省すると伝えてあります。
今年も子どもたちと盆踊りが見れますように。