JTを買おう!(2914)プルームテックが創り出すクリーンたばこ市場
最近のJTのCMがガラッと変わりました。
たばこでひとときという感じではないんですね。
人と人のつながりを大切にすることがCMのコンセプトになってます。
第1弾のCMは親元から離れて一人立ちする青年と家族の想いを繋ぐCM。
その中には「たばこ」は一切出てきません。
まずはCMを見てください。
JTはタバコ会社から健康企業に変化しようとしてるんだと思います。
JTが考えるタバコとは、もちろん葉巻きたばこです。
ちょっと前まで、なぜ10%ずつ減少していく国内の葉巻きたばこの販売数量を毎月リリースするのか意味が分かりませんでしたが、CMを見て少しわかったような気がします。
国民が健康に近づいていることをアピールしているんではないかと。国内の葉巻きたばこの市場が減少すればするほど、健康になる人が増える。JTはそれを望んでいて、あえて縮小する国内葉巻きたばこの販売数量をリリースしているのかもしれないと思います。
では健康を志向するJTが考えるタバコとは何か?
それはプルームテックに凝縮されています。
プルームテックはJTがリリースした加熱式たばこです。
加熱式と言っても30℃程度の低温タイプでにおいがせず、カートリッジ内のリキッドを蒸気化させ、たばこベイパーとして直接吸い込む。
もちろんニコチンは含まれていますので吸い込む人の健康に害する虞があることには変わりありませんが、葉巻きたばこのような副流煙は発生しません。
JTはその意味で「クリーン」と呼んでいます。
そこで各行政が出す受動喫煙防止条例に対し、加熱式たばこが一律に含まれることに対して、健康増進法の趣旨に反していると反論をしています(JTのホームページで確認できます)。
さてプルームテックについてはコンビニに冊子がおいてあるので見てみるとよく分かります。プルームテックはアイコスと違い、スタイリッシュなんです。取り込む対象は若い人、特に女性といったところでしょうか。
ハードはスターターキットでバッテリー系を購入、ソフトとしてタバコカプセルを個々に買う。タバコカプセルは5個とカートリッジがついてます。
カートリッジはリキッドが封入されていて50回程度吸えます。一回の休憩で10回くらい吸える計算です。カートリッジがタバコカプセルとセットなので、クリーニングは不要です。
葉巻きたばこが減少し、プルームテックが増加する。そしていずれはタバコ自体なくなってもいいように健康企業として、食品、医薬とタバコの対極にある事業を強化していく。国内のタバコの市場が急激に減少するのはまだまだ先でしょうから、十分に戦略を練ることができます。
たばこ事業は独占的な事業形態に近いので、莫大なキャッシュを産みやすい事業ではないでしょうか。加熱式たばこが出てきて、たばこ事業の動き方がよく分かりました。
先進国は健康志向に火がついて、禁煙、受動喫煙などが問題になってます。一方で新興国はまだまだそんな議論は出てきてません。つまり、たばこ需給の変動要因として、
葉巻きたばこ → 受動喫煙問題 → 加熱式たばこ → 健康志向 となってます。
つまり受動喫煙に対して厳しい国かどうかが、判断の分かれ道なんです。しかも受動喫煙は国民的動きですからとても分かりやすい。
だから、JTもロシア、フィリピン、そして8月6日にバングラディッシュのたばこ会社を買収してます。これらの新興国が将来、受動喫煙のムーブメントが起こったときにプルームテックを投入するというパッケージが出来上がってますから、莫大なキャッシュインが保証されているようなものです。
ということで、JTの戦略は中長期的に崩れにくい戦略であり、プルームテックを売り出している今が投資的にはよい時期ではないでしょうか。
という私はたばこを吸いませんが、吸う人も吸わない人もともに幸せに暮らせる社会が早く来るといいですね。